存在価値が明確な大会はなぜ成功するのか?
- 2024.10.03
- FDG -Field Discovery Game- スポーツイベント トライアスロン フィールドディスカバリー 日記・雑感 竹内鉄平
- トライアーティスト, トライアスロン, フィールドディスカバリー, フィールドディスカバリーゲーム, 大会運営, 竹内鉄平
こんにちは!トライアーティストの竹内です。
弊社(株式会社トライアーティスト)は、トライアスロンを主軸とするスポーツビジネスで個人事業から法人化し、会社としては13期目に入りました。まだまだ吹けば飛ぶような零細企業ではありますが、アスリートであった自分が経営者となり、社会の荒波にもまれつつも少しずつ成長し、社会に求められる会社に成長してきていると実感しています。
そんな弊社の事業の中でも、弊社の売り上げ全体の3分の1を占めるスポーツイベント事業は、コロナ禍においてほぼすべてのイベントが中止となり、最大のピンチを迎えました。ですが、何とか耐えしのぎ、2023年より少しずつ復活を果たします。
弊社が企画・ディレクションを行う「伊勢志摩・里海トライアスロン大会」(2023全国人気大会ランキング・スタンダード部門1位)については、2024年多くのトライアスロン大会が定員割れとなる中でも、過去最高の参加人数となり、多くの皆様にご好評をいただくことができました。
また、2021年よりスタートした新規事業である「FDG(フィールドディスカバリーゲーム)」のほうも、2023年9月にリリースしたスマホアプリ「Field Discovery Game」とともに、じわじわと人気を集めてきています。こちらはまだ認知度が低いので、どうしたら多くの方に知っていただけるか?マーケティング戦略を練っている段階ですが、全国に普及させていくイメージはできつつあります。
また2024年はトレイルラン大会も2大会ディレクション・運営協力をしましたが、どちらの大会もRunnetの大会レポでは非常に高い評価をいただいています。
(Runnetトレイルラン大会ランキングで4位と7位)
今回はそんな経験を踏まえて、大会運営者としての視点で、自分が大切にしていることは何か?をお話したいと思います。
大会は存在価値を問われている
近年では、企業の存在価値を明確にして事業をする「パーパス経営」が重視されるようになっています。これは大会についてもまったく同じことが言えます。自分が大会運営において、最も重視していることは、「大会の存在価値を明確にして運営にあたる」ということです。
コロナ禍以前の従来大会では、選手、スポンサー企業、運営スタッフの視点にたって、適切に運営し、集客がうまくいきさえすれば、適正に稼ぐことができました。
しかし、コロナ禍以後においては、それだけでは不十分になりました。多くの大会は道路などの社会のインフラを使って競技運営を行い、収益を生み出しています。選手、スポンサー企業、運営スタッフが満足したとしても、その過程で、環境や社会に高い負荷をかけながら活動しているのだとすれば、もしかしたらその大会は社会から求められていない大会なのかもしれません。
トライアスロンのような大規模なイベントでは、長時間に及ぶ交通規制、半強制的に動員されるボランティアスタッフ、騒音やゴミの問題などがつきまといます。運営者にとっては、向き合わなくてはいけない問題が山積みです。選手が集まらなくては大会は開催できませんが、選手の要望だけを聞いていては大会は成り立ちません。
そのような視点で、大会の存在価値を問い直すと、存在意義の証明は、人、地域、社会、環境、未来といった大きな枠組みの中で、自分たちの大会はどんな貢献ができるかを示す必要があります。
そして、そのメッセージを社内外に発信して、社会全体に「存在価値がある大会」と認められることが、大会や事業を成長させていくための重要なポイントとなります。
「社会」にとっての価値が重要
この変化で重要なのは、社会の視点に立った評価に目を向けることです。多くの大会の理念は「挑戦」「勇気」「感動」など自分たちの視点に立ったメッセージとなっており、あくまで自分たちが主体となっています。選手目線ももちろん大事ですが、それ以上に大切なことがあります。
現代では、それよりも「社会」にとってどんな価値がある大会なのか?が問われます。例えば、地域経済の発展に貢献する、関係人口の増加に寄与する、もしくは新しい技術を開発・提供し、人々の生活をより豊かにするなど、そのような貢献を期待される大会が社会に応援されるのです。
応援者が多いほど、大会やサービスは選ばれることになります。「一緒に日本の地域社会を良くしていこう!」「ともに未来を良くしていこう」と共感するパートナー、取引先、スタッフが増えることで事業は発展していきます。だからこそ「存在意義」を明らかにし、発信することが大事なのです。
大会の存在価値を可視化する
パーパス(存在価値)は外向きに発信することで、消費者を味方にすることができます。ただ、いくら崇高なパーパスを掲げても実態が伴っていなければ意味がありません。その実態を担うのが、運営者とスタッフ(審判・ボランティアなど)です。
その視点から考えると、パーパスはまずは内部に向けて発信し、自分たちが自分たちの存在意義を理解することが大事です。パーパスが理解されれば、そのパーパスに共感する人が増えて、スタッフの質が高くなります。
共感度合いが高いほど、スタッフの団結感は高まり、業務のやりがいを感じやすくなります。「社会のため」「未来のため」といったパーパスを理解することで、目先の収益を追うことよりも、社会から必要とされる大会を目指す意識が高まります。
今年の志摩トラでは、事前にスタッフ間でのオンラインミーティングを徹底して行いました。またブログなどでも、目指すべき方向性についての発信を行いました。そこでは、なんのためにこのルールが存在するのか?なんのためにこの施策を打つのか?を徹底して説明し、理解してもらいました。それにより、スタッフひとりひとりが、その力を最大限に発揮してくれることで、大会がさらに成長・進化を遂げることになりました。
社会課題への関心の高まり
SDGsなどを筆頭に、世の中全体として、社会課題への関心が高まっています。我々スポーツビジネス事業者も、今ある社会の問題・課題はなにか?を常に考え、アンテナを張って、それに対して、自分たちの活動・ビジネス・大会運営がどう貢献できるのか?向き合っていく必要があります。
選手目線での競技性の追求だけではなく、地域とともに共創を目指す。そのような事業者・大会が選ばれ、社会から支持されやすくなってきています。共感いただける方は、ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。
「自分はいち参加者だから関係ないかも…」という方も、自分が出場する大会を選ぶ際に「この大会はどのように地域や社会に貢献しているのか?」「社会に対して負荷を掛けすぎていないか?」など、視野を広くして少し考えてみるだけでもよいと思います。
それは、よりよい大会運営事業者を応援し、支えることになり、巡り巡って自分たちが長く楽しめる大会の存続につながっていきます。物価高の影響を受け、参加費が高騰するのも当然という面もありますが、経済的に余裕がある人しかできないスポーツは「文化」と呼ぶことはできません。
トライアーティストでは、より多くの人がスポーツを通じて、健康になり充実感や幸福感を感じることのできる社会の実現を目指していきます。応援よろしくお願いします!
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FDG in 玉城イベントページ https://fielddiscovery.or.jp/…/06/09/20241104_fdgintamaki/
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