どうするトライアスロン第4回「ライフスタイルとしてのトライアスロン」

どうするトライアスロン第4回「ライフスタイルとしてのトライアスロン」

トライアーティストの竹内鉄平です。

40代も半ばを越えた自分の中での大きなテーマ、それは「ライフスタイルとしてのトライアスロン」。

生涯現役トライアスリートを宣言し、15歳の時から30年間「競技」としてのトライアスロンに取り組んできた自分にとって、トライアスロンはまさに「ライフスタイル」そのものであり、自分の人生に不可分のものです。

2000年オーストラリア・タスマニア島ダベンポートのレースにて

しかし、一言に「ライフスタイルとしてのトライアスロン」といっても様々な付き合い方があります。人生のステージの変化、年齢とともに、目標や取り組み方も少しずつ変わってきます。

今回はそんな自分の経験から「ライフスタイル」として取り組むトライアスロンとはいったいどういうことか?特に40代以上の方に向けて、そのメリットと長く楽しむための秘訣をお伝えしたいと思います。

自己実現としてのトライアスロン

自分の性格は、とくにかく「負けず嫌い」。
トライアスロンにおいても、勝ち負けにこだわり、順位にこだわってきました。
練習であっても、遊びであっても、勝負となれば、女・子供でも容赦はしません。

そんな自分にとって、毎年数多くのレースに出ることは、自己を表現することであり、欠かせないものでした。学生時代から実業団時代はもちろん、実業団を辞めた後でも多い年は12レース以上、平均すると年間7~8レース出場してきました。数えていませんが、恐らく30年間で200レース以上に出ていると思います。

2003年お台場・オリンピアン5人衆(西内洋行・小原工・山本良介・福井英郎・田山寛豪)と。

自己実現・自己表現としてのトライアスロンでは、順位やタイム、レースの内容に重きを置きます。

前回に比べてタイムが短縮されたか?またライバルとの勝負はどうであったか?レースが終わったあとも、あーでもない、こーでもないと、リザルトを酒の肴にみんなでワイワイやるのが何よりの楽しみです。

トライアスロンを始めた当初は、きちんとまじめに練習をすれば、まず成績は右肩上がり。トライアスロンは3種目ある分、伸びしろがたくさんあるので、10年くらいは楽しめます。特に20代・30代のうちは間違ったトレーニングをしていたとしてもフィジカル(体力)が伸びることによって成績は向上していきます。

30代後半~40代前半になると、少しずつ体力が低下し始めます。それとともに間違った体の使い方や過度な追いこむトレーニングをしていると「ケガ」が増えていきます。

2016年お台場日本選手権

自分は、40歳の時に日本選手権(お台場)に出場し31位で完走、その翌年41歳でエイジチャンピオンになり、翌年のエイジ世界選手権に出場しました。

しかし、連戦に次ぐ連戦のダメージでふくらはぎの怪我が悪化、長引かせてしまい、42~44歳の3年間はまともに練習が積めない(走れない)体になっていました。得たものは大きかったですが、その代償は大きかったです。

ライフ・トライアスロン・バランス

そんな中、2021年からコロナ禍が突如訪れます。
外出することさえ憚られる風潮で、予定されていたレースはことごとく中止に。
多くの方にとって、レースに出たくても出られない状況でしたが、自分にとってそれは、ライフスタイルとトライアスロンのバランスを見直すための、ちょうどよいクールダウン期間となりました。

また、レースがないことから、トレーニングのペースや頻度を落とすことができ、ケガからの完全復帰にも繋がりました。2021年・2022年は、運よく年に1~2レースに出ることができましたが、それだけで十分満足でした。

そんなコロナ禍の2年間は自分にとって非常に意義のある時間でした。
自分はなぜトライアスロンに魅力を感じて続けてきたのか?
トライアスロンをライフスタイルに最適化するためにはどうすればよいのか?
今後のトライアスロン界の展望は?
いろいろと立ち止まって考えることができました。

レースが開催されないならば、自分たちで実戦トライアスロン練習会を行えばよいと、毎月レース形式の練習会を企画してみたりもしました。

いや、でもちょっと待てよと。そもそも、日々の練習で、仲間と一緒に泳ぐ、バイクに乗る、走ること自体が楽しい。それこそが目的ではないか?と考えるようになりました。

実際に、2023年からはほとんどのレースが復活しましたが、以前のようにたくさんレースに出たい、という欲求は今の自分にはほとんどありません。
これは、自分に限らず多くのトライアスリートにとっても同じ心境ではないか?と思います。

現状、多くのレースにおいて定員が埋まらない状況にあります。これは、一時のブームで参加していた層が離れていったということもありますが、これまで複数大会に参加していた方が、大会に出る数をより絞っていることが原因ではないかと予想します。

それは決して悪いことではなく、多くのトライアスリートのライフスタイルとトライアスロンのバランスがのつり合いが取れており、無理のない範囲で楽しむというスタンスに移行している結果ではないかと思います。

事実この3年間、自分の主催するトライアスロンスクールの会員数は増えはしませんでしたが、減りもしませんでした。皆さん、大会が開催されない期間も、継続的にセッションに参加され、練習自体を楽しまれていました。

無理なく自分のできる範囲で、日々の生活の中に、「泳ぐ」「漕ぐ」「走る」というトライアスロンの3種目を取り入れることで、より健康で充実したライフスタイルを実現する。コロナ禍によって、上辺のブームが去ったことで、より本質的な部分が残った、という感覚です。

トライアスロンは多くの時間とお金を消費します。
もちろん、それにより得られる対価(充実感・自己肯定感)は大きいものがありますが、その分家庭や仕事を犠牲にしなくてはならない面も少なからずあるでしょう。失ってはじめて気づくこともあります。

迷ったら、基本に立ち返り、自分はなぜトライアスロンをしているのだろうか?と常に自問自答することが大切です。

40代・50代からのトライアスロン

ここからは、特に40代・50代の方に向けてトライアスロンをライフスタイルの中に取り入れるメリット、そして長く続けるための秘訣についてのお話です。

体力の低下を感じ始める40代、人生の折り返しを過ぎて、終盤へと差し掛かる50代。還暦(60歳)になったとき、どんな自分でいたいか?

何より大切なのは「健康」です。

40代・50代の20年間、体を動かさずに過ごしてきた人と、無理のない運動を継続して取り組んできた人の差は、還暦である60歳を迎える際に歴然となります。
それは60歳から80歳の20年間を元気に過ごすための糧となります。

トライアスロンの3種目「泳ぐ」「漕ぐ」「走る」は、ヒトにとって、根源的なものであり、それぞれがそれぞれを補完する全身有酸素運動です。

無理をしなければ、ケガのリスクも少なく、誰もが手軽に取り組め、そして奥深く技術を追求する楽しみを得ることができます。

レースに出る出ないは自由です。ライフスタイルの中に、3種目のトレーニングをバランスよく取り入れている人であれば、レースに出たいと思ったら、3か月間ほどの準備期間があれば、どなたでもトライアスロンの標準的なレースを無理なく完走することができます。

新たな刺激や、より高いモチベーションが必要だと感じれば、年に数回レースに参加する機会を設ければよいでしょう。しかし、レースの魔力にハマり過ぎてはいけません。レースに出なかったとしても、何にも代えがたい「健康」を手に入れることができます。それ(健康な心身)自体が目的なのです。

また、3種目のトレーニング時間を作り出すためには、ある程度のセルフマネジメントが必要となります。それにより生活に「メリハリ」が生まれ、より効率よく仕事や勉強をこなすことができるでしょう。

そうです。40代になったらトライアスロンをはじめましょう。50代でも決して遅くはありません。

でも、自分には運動経験がないし、どうやって始めたらよいかわからない。
自分一人では意思が弱く続かない。
そういった方がほとんどだと思います。

そんな方のために、40代・50代から始めるトライアスロン
初心者向けトライアスロン講座「トラゼミ」(2023年4月~6月)を開催します!

40代・50代から始めるトライアスロン
初心者向けトライアスロン講座
「トラゼミ」

本講座では、オンラインの講座と実践ミニトライアスロン練習を通じて、トライアスロンを無理なく「ライフスタイル」として、継続する秘訣を竹内鉄平が教えます。決して無理をする必要はありません。マイペースで大丈夫です。

・トライアスロンに興味がある。
・今のライフスタイルを変えたい。
・還暦(60歳)を健康な体で迎えたい。
・大会に参加を検討しているが不安がある。

トライアスロン経験は不問。
上記のような方はぜひ、ご参加ください。

更に、参加特典として、以下をおつけします。

・初心者向けトライアスロンテキストブック(1,100円)
・あすたまトライアスロンスクールセッションチケット(11,000円分)
・トライアーティスト社製ウェットスーツ割引購入券(10%OFF)
・オリジナルスイムメッシュキャップ(1,100円)
・期間内、コーチへの質問何度でも無料

綺麗な海で泳ぎたい方、7/2(日)伊勢志摩・里海トライアスロン大会もあります。いきなり3種目はキツイという方は、前日7/1(土)にアクアスロンもあります。一緒にライフスタイルとしてのトライアスロンをはじめましょう!