どうするトライアスロン第7回「どうするスポーツイベント③」

どうするトライアスロン第7回「どうするスポーツイベント③」

トライアーティストの竹内です。
「どうするスポーツイベント」の最終回となります。
 その①  その② を未読の方はまずはそちらをご一読ください。

最終回は、自分たちの手にスポーツを取り戻すため、今、自分たちに何ができるか?を考えてみる「スポーツの将来」の話です。

これは、自分たちだけではなく、子供たちや、そのまた子供たちに、よりよいスポーツ文化・環境を受け継いでいくために、今後どうしていけばよいのか?
ぜひ多くの方に、様々な立場の方に、一緒に考えて欲しいと思っています。

どうしたらスポーツの素晴らしさを伝えられる?

これまで、日本のスポーツは教育の一環としての「体育」という面と、オリンピックをはじめとする巨大な国際大会による「競技力向上」、それによる「国威発揚」という面が強調され過ぎていたと思います。

その一方、コロナ禍において、市民参加型のスポーツイベントは、国や公共機関からも、不要不急ではないと断じられ、中止を余儀なくされました。

自分は愛するトライアスロンを事業化することで起業し、当初からどうしたら、より多くの人にトライアスロンの素晴らしさを伝えることができるか?普及させることができるのか?ということを、永遠の命題として捉え、それについてずっと考えてきました。

普及のためには、まずはスクールを立ち上げ指導すること、そしてより多くの人が参加できる大会を作ることを行い、それらを通じて多くのことを学んできました。

また自身の30年に渡る競技活動の経験から、レース(大会)に出ることは最終的な「目的」ではなく、あくまでライフスタイルの中にスポーツを取り入れることの「手段」に過ぎないということに気づかされました。

目標を持って競技として取り組むことは素晴らしいことです。自分も過去にはプロとして生活、いや命をかけて競技に組んでいました。目標を持つことで、より一生懸命頑張れる、継続できるという効果はもちろんあります。

しかし、それは人生にとっては、あくまで一時的な目標でしなかなく、自分の人生にとっての本当のゴールではありません。

大切なのは…

他者に支配されず、自分の人生を自分の思うように生きること。
大会の結果自体に意味はなく、そこから何を学んで、社会に発信、還元するか。

…だと思います。

スポーツの真の価値は、ライフスタイルの中にこそ

最近になって、ようやくそういった視野に立ち、トライアスロン、そしてスポーツ業界全体を俯瞰的にみることができるようになりました。
すると、今のスポーツ業界のいろいろな問題点や課題が明らかになってきます。

なぜトライアスロンは一般に普及しないのか?(他競技の方は自分のスポーツに置き換えてみてください)。

その答えは、大会に出る出ないといった問題ではなく、「日常的にライフスタイルとして泳ぐ、漕ぐ、走るというアクティビティに親しんでいる人自体がそもそも少ないから」です。

これは、トライアスロンに限らず、水泳、ロードバイク、MTB、マラソン、トレイルランニング、ロゲイニングといった競技スポーツすべてに当てはまります。

一時期は、マイナースポーツでは、トップ選手がオリンピックで金メダルを獲るような活躍をすれば、その競技は一気に注目度が集まり、競技人口が増えると盛んに言われていました。

しかし、そんなことはありません。トップ選手の活躍云々ではなく、そもそもライフスタイルとして、そのスポーツに取り組んでいる愛好者が多くなければ、一時的に認知度を上げるという意味での多少の宣伝効果があったとしても、すぐに熱は冷め、元に戻ってしまいます。

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その対象となるスポーツを普及させるために、何においても、我々がまず取り組まなければなければならないことは、大会を作ることでも、ましてや選手の強化を行うことでもなく、そのスポーツをより多くの人が「ライフスタイルとして、日常的に取り組める環境づくり」であると断言できます。

これまで何度も繰り返しお伝えしてきたように、スポ―ツの真の価値とは「人々の健康づくり・生きがい作り」であり、「ライフスタイル」の中にこそ、あってしかるべきものだからです。

できることは山ほどある。

そう考えてみると、自分たちにできることは、山のようにあるではないでしょうか?まずは自分がそういったライフスタイルを実践し、家族や友人、職場の仲間に見せることです。

トライアスリートあるあるで、早朝6時からプールで泳いでいるなんて周りに言うと、最初は変人扱いされるかもしれませんね。

しかし、それによりシャキッと一日をスタートさせることができ、よりメリハリのある仕事ができる貴方の姿を周りに見せることができれば、みんなの見る目も変わるかもしれません。

いくら良い習慣だからといって、継続するという点では、なかなか人間は意思が弱く、誘惑も多いので、大変に感じることもあるでしょう。

そういう時は、一人でも二人でもよいので、仲間を誘ってみるのが一番です。それが一人の他人の生活習慣を変え、人生を好転させてしまうことだってあり得ます。

ひとつひとつはほんの小さな事象ですが、それが積み重なり、合わさることによってしか、社会は変えられないのです。波紋が広がり、それが重なることで、思いもよらぬ大きなムーブメントへと変化していきます。

これからのスポーツイベントに求められるもの

では、これからの社会で求められるスポーツイベントとは一体どんなイベントなのか?

現在、好む好まざるに関わらず、日本の社会自体がもつ元々の内向的な性格が、コロナ禍を経て更に顕著になっています。

しかし、スポーツイベントがもつ力、魅力というものが、正しく社会に理解されれば、もっと世の中から求められるコンテンツ作りができるはずです。

それは、非日常を体感できるイベントでありながら、日常とかけはなれるのではなく、日常にリンクしていくもの。

参加者だけではなく、開催地域にとっても、過度な負担を掛けず、シナジー効果を生み出し双方向に良い影響を与えてくれるもの。

運営者は常にそういった意識でイベント設計を行うことが求められていくのだと思います。

イベント(非日常)から、ライフスタイル(日常)へ

ここまで読んでいただいた皆様ならば、もう理解されたと思います。

スポーツイベントを普及させるためには、そのベース(基盤)となるライフスタイル(日常)こそが大切であるということを。

現在、自分が取り組んでいるプロジェクト「フィールドディスカバリー」も、スポーツをライフスタイル化して、日常的に楽しめるようにするためのものです。

この3年前からスタートしたこのプロジェクトについては、また別の記事にて詳しく紹介したいと思います。

興味のある方は、クラウドファンディング(5/27~スタート)を準備していますので、そちらのページをぜひご覧ください。

フィールドディスカバリーを普及させるためのスマホ専用ゲームアプリ開発のクラウドファンディング